赤錆のポストがよくて借りている家賃四万円のアパート
枡野書店は仕事場として借りて、最初は雑貨や古本を売ったりしていました。「テレビブロス」「散歩の達人」「#FIGAROjp_culture」などに取材していただいたりして。
本業で色々あって、芸人活動を始めたりやめたりして次第にまったくオープンできない店になり、生活サイクルが乱れ、枡野書店に寝泊まりしていた時期もあります。銭湯通いでした。
阿佐ヶ谷の開かずの扉「枡野書店」【街活!東京ローカル】第6弾 | Marina Oku
店の近くにアパートを借りることにしたのは、2016年の春でした。風呂つき四万円という破格のアパートの間取り図が、近所の不動産屋さんにずーっと飾ってあり、借りたいけど枡野書店とアパートの家賃を両方払うのは難しいかもと、ずっと迷っていました。私は東京のはずれに実家があり、そもそも仕事場を借りてるのも自己満足ではと言われればそうです。実家暮らしのフリーランスって多いですよ。
自分に合わない仕事を避けに避け、好きなことだけをして暮らすというのが人生のテーマなので、年収が高かった年も低かった年も、生活水準はあんまり変わっていないと思います。
そうこうしてるうちに、色々なご縁のある作家のまついなつきさんが、近所でウラナイ・トナカイという店をオープンしました。
前々から、枡野書店こそが占い師のかた(またはマッサージの仕事をしているかた)にぴったりの空間ではと感じていたので、もしかして枡野書店で占いをやりたいかたをご存じありませんかと、まついさんにメールしたことから事態が好転しました。
詳しくは『愛のことはもう仕方ない』にも書きましたが、そんなこんなで枡野書店を定期的に活用してくださるかたが複数あらわれ、それを機にアパートを借りることにしました。
しかし四万円のアパートを借りるとき、私がまず駆け込んだのは、その近所の不動産屋さんではありませんでした。
つづく。→ 収入が全然ないが借りに行く家賃四万円のアパート - 歌人不動産